日本健康武道協会 Japan Wellness-Budo Associationとは

古来、武の道とは殺法と活法が表裏一体となり成立するものでした。殺法は現代でいう護身術であり、勇気や忍耐力、正義と言う事も出来るでしょう。また活法は、病んだ心身を治癒へと向かわせる術であり、現代医学にとどまらず、代替療法などの施療法のうち実質のあるもの(効果・実績があるもの)をさします。当協会は、これら表裏一体となる武道を人間形成に必要な要素としてとらえ、次代を担う人間育成をおこなうべく発足した団体です。

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心 技 体…18

●日常生活に武道家魂を活かす 最終回●

これまで11回にわたり、「日常生活に武道家魂を活かす」と題して綴ってまいりました。今回は最終回として、日常生活に活かす武道とは何だ、ということを改めて整理しておきたいと思います。

私たちは武道の修行を通して、諦めずに乗り越えようとする気持ちの大切さを学びます。そして集中力を持続させることを覚えていきます。

もちろん運動という側面においては、全身をバランスよく動かすことで身体能力を向上させ、バランス感覚を研ぎ澄まし、さらに内蔵機能にも作用します。健康づくりが課題として問われている昨今、非常に効果的な身体の活性方法であることは言うまでもありません。

しかし何より武道の修行で特徴的なのは、動きの中で常に自己の精神 (内面) と向き合い、制御しようとすることであると言えます。例えば「型」を行う時、頭から足の先まで己がどうあるのかを捉えていなければなりません。もしそれを把握できず気の集中が疎かになっていれば、技の鋭さ、バランス、全体の流れが統一感のないものになってしまいます。

つまりひとつひとつの技を、そしてそれらを応用した型を、繰り返し練習していくことが精神力の鍛錬にも通じていくということなのです。

「道」がつくものに完成形はありません。これで完璧、はないのです。

人生も同じです。人生半ばで、これで完了などということは有り得ないからです。人生とは、こつこつ歩んでいくもの。途中で飛び越えることは出来ないし、時間を戻すことも出来ません。しかし、人生はすべてが繋がっています。その一瞬一瞬が、次の瞬間へと積み重ねられていくのです。

日常生活のどんなシーンでも、すべてが次の日常への土台となっていきます。武道の修行を通じて培っていく心の持ち様は、日常の事柄をよく感じ取り、よく考察し、そして行動に移す確かな糧となるのです。

「日常生活に武道家魂を活かす」とは、鍛錬を通じて人生を有意義に過ごす意識を高め、それを次代に伝えていくことに他ならないのです。

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心 技 体…17

●日常生活に武道家魂を活かす  その十一●

礼節を重んじ、日々鍛錬を積み重ねていく武道が与えてくれる指標は、「グローバル…」 と言われる考え方に非常に役立ちます。

短期間の練習で武道ができるような気になってしまうのは好ましくありません。常に探究心を持って稽古に勤しみ、そして稽古によって得た心を人生に、あるいは日常の出来事に活かすよう努めるべきなのです。そのためには継続こそが力となります。ハイペースで短時間で辞めてしまうよりも、スローペースでこつこつと続けていく方が何倍も役立つのです。

稽古は結果を求めるものではありません。稽古によって 「この技ができるようになった」 からといって、それは単なる経過地点に過ぎず、次のステップが必ず存在します。形が出来るようになっても、そこに精神論を加えれば、より深く追求していく事になります。正直なところ武道の修行とは 「これで完了」 という終止形はないといってもよく、生涯考察をしていかなければ理解に近づくことさえ出来ないのかもしれません。また身体的にも、修行を継続していくことで体力を養い続けることができ、その体力的な余裕が精神力の向上をもたらすといっても過言ではありません。

武道は、いわゆる格闘技のように競技によって勝敗を決めるためのものではありません。修行をしていくプロセスが最も重要なのであり、習得した技術は、生涯使わなくて済めばそれに越したことはないのです。

修行によって精神的な安定が得られれば、人生の過程で立ちふさがる様々な事例を点で捉えるのではなく、面で、広い視野にたって考察することが出来るでしょう。

日本人は遺伝的にも文化的背景を考慮しても、日本人でしか有り得ません。仕事でもプライベートであっても、日本人という意識は忘れるべきではありません。

近年よく言われる 「グローバル」 とは、自らの位置 (存在) が明確になっていて初めて、国際社会の一員として活かされる意識なのです。

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心 技 体…16

●日常生活に武道家魂を活かす その十●

豊かな心は武道家に必要不可欠です。

大自然や書や本、音楽、絵画など、良いものに出来るだけ多く接する機会を持つことはとても大切です。

ただ見るだけ、聴くだけではなく、自然の壮大さや作者の思いを感じ取るように自身の心の扉を大きく開き受け止めるようにします。すると、自然と鳥肌が立ったり、涙が流れ出てくることがあります。

感受性が豊かとは、物事を感じ取る能力に長けているということです。子供の頃から、そして大人になってからも様々な事柄を良く感じ取り、反復し咀嚼して自身の素直な気持ちで受け止めるようにしていると、それは育ち、伸びていきます。

感受性が豊かであれば、相手の痛みを察することが出来ます。そして、それが抑止力の基本なのです。

暴力に対して暴力で返すのは稚拙な行為です。国家レベルではこのような稚拙な行為が繰り返されていますが、一武道家としては感情のままに行動してしまうのは好ましくありません。武道家は暴力を行使させないような行動、または戦意を喪失させるような術を身につける必要があるのです。

護身術は敵と戦って勝つためのものではなく、敵を戦意喪失させて担当機関 (警察等) に引き渡すまでのプロセスと考えるべきです。

そのために練習を積まなければならないのです。

つまり自然に対しても人間に対しても、慈しみの心を持つことが重要だということです。そしてもちろん、その経験を与えてくれた人や時、場所に対しては感謝の念を忘れてはなりません。

心と身体・・・表裏を形成するふたつが一体となって武道は成り立っています。どちらが欠けても意味がありません。

礼節を重んじながら日々鍛錬を積み重ねていく武道は、豊かな心を育み、人生に活かしていくための正しい指標を与えてくれるのです。

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